ネジ独白
あなたは私とは住む世界の違う人で、私はあなたに一生仕えることが決まってて。
だからこの思いは一生叶わないって知って。
あなたの住む世界を憎みました。
あなたも。
まだ幼かった私にはそれが精一杯の自己防衛の手段でした。
そして、まだ芽生え始めたばかりの想いを心の底に封印したのです。
私は自ら闇の中へとその身を投げ出したのです。
私はただあなたを憎みました。
だからあなたと戦うことになったとき、あなたを完膚なきまでに叩きのめしました。
どんなに痛めつけてもあなたは立ち上がり、私に向かってきました。
あなたは自分の想い人に自分を重ね、想い人のようになりたいと、自分のいったことは曲げないと、あなたは私に立ち向かってきました。
私はその姿に、心の底に封印したはずの想いがまた甦りそうになり、恐怖を感じました。
その恐怖から逃れるため、私はあなたを殺そうとしました。
私は、あなたの想い人が嫌いでした。
理由もわからずに、ただ、大嫌いでした。
今思えばそれはただの嫉妬なのですけどね・・・
でもその時の私はあなたへの想いを封印していたので、ただひたすらあなたの想い人のことが大嫌いでした。
だからあなたと戦うことになったときと同じように、あなたの想い人もあなたと同じように、完膚なきまでに叩きのめしました。
あなたの想い人はあなたと同じように私に向かってきました。
何度も、何度も。
そしてあなたの想い人は私を救ってくれました。
自らその身を投げ出した闇の中から。
自分を殺そうとしていた私を。
救い出してくれたのです。
今でもあなたは私にとって一番大切で愛しいひとです。
だからあなたには幸せになってもらいたい。
今はまだ少しだけ心が痛みますがあなたが一番愛する人と一緒に幸せになってもらいたい。
そう、想います。
・・・出来ることなら私がその相手だったらいいのですけどね。
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ネジの一人称が違う。。