恋の始まり
「木の葉の策士」奈良シカマル
「風姫」テマリ
この2人の関係を知るものは少なくない。
2人の出会いは4年前、中忍試験でのことだった。
当時、テマリは下忍とはいえ、実力は中忍以上、その年齢に似合わず落ち着きがあり、頭の回転が速く、策を練るのが得意であった。
対し、シカマルは使える忍術も少なく、忍術学校での成績もぱっとしないものであった。
テマリは戦闘準備ができているにもかかわらず、シカマルはめんどくさそうにしている。
これからその2人が戦うというのだ。
大方の人間がテマリ優勢と見なすであろう。
実際、テマリが勝ちを得た。
だがそれは完璧な勝利ではなかった。
以来テマリはシカマルを気に掛けるようになった。
いずれ再戦しよう。次こそは完璧に勝ってみせる。と。
木の葉崩しの後、砂と木の葉が国交を回復して間もなくのこと
うちは一族の末裔、うちはサスケが木の葉の里を抜けた。
サスケを連れ戻すため急遽編成された下忍ばかりのチーム。
その小隊長がシカマルだった。
サスケを手引きしているのは伝説の三忍・大蛇丸
戦法は1人1殺。
仲間が1人、2人と敵へ向かっていった。
シカマルが対峙したのは幻術使い・多由也。
敵は強く、自分はチャクラ切れ。
死を覚悟したとき、一陣の風が敵を吹っ飛ばした。
「木の葉同盟国・・・砂の忍だ。」
目の前に現れたのは以前、自分と戦った砂隠れのくの一テマリであった。
シカマルはテマリに敵の情報を教え、ここは一旦退くべきだと言った。
だがテマリはシカマルの忠告に反論した。
「私の力を見誤るんじゃないよ・・・」
口寄せ・斬り斬り舞!!
テマリが扇をふるった後にはただ見晴らしのよい景色がそこにあった。
・・・こいつ、うちの母ちゃんより怖ぇー女だな・・・
テマリは振り向き、自慢げに
「どんなもんだ?」
と言った。
にししと笑うその顔はなんだかとても暖かくて、シカマルは今までに感じたことのない熱く、激しい想いが胸に渦巻くのを感じた。
その想いが何なのか。
シカマルはまだ気づいてはいない。
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