悲しみを優しさに・・・


私は小さいときから風影の娘として育てられた。
周囲からの期待は幼い私に重くのしかかった。
しかし、弱い私を見せるわけにはいかなかった。
私よりもつらい思いをしている弟がいるのだから・・・

生まれたときから忍びになることが決められていた。
厳格な父、もういない母、つらい運命を背負った弟。

心から笑ったことなんてあったのだろうか・・・?

いつの間にか不敵な作り笑いが板についてしまった。
周囲の人間は私を風影の娘だとしか見てはくれない。

私はいつでも強くなくてはならなかった。
誰にも本当の私を見せることなどできない。

今思えば、私と我愛羅は同じだったのかもしれない。
もっと早くに我愛羅と分かり合えていたらよかったのにな・・・
そうしたらこんなにも周りを傷つけてしまうこともなかっただろうに・・・
だが今はもう分かり合えている。
うずまきナルトのお陰で私たち兄弟は本当の家族になれた。

もう独りで泣くことはないだろう。

これからは笑いあったり、相談しあったり出来る家族がいるのだ。
もう、独りきりの道を行くことはないだろう。
うずまきナルトには感謝している。

今度は私の力で、私たちの力で、未来を切り開いていこうと思う。

幸せの青い鳥がいるというなら、自ら探し出してやる。

そういえば、うずまきナルトはこんなことも教えてくれたな。

人間は悲しみの数だけ強くなれる。

私もそうなれるだろうか・・・?

うずまきナルトのように。
我愛羅のように。

私も、優しく、力強く、自分のために、みんなのために。

悲しみを優しさに、そして、優しさを強さに。
自分らしさを力に、そして、力を誰かのために。

迷うことが何度もあるだろうけど、少しずつ、少しずつ。
本当に大切なものは目には見えないから。
迷うことが何度もあるだろうけど、少しずつ、少しずつ。

何度でも。



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NARUTOのアニメの初期OPをテーマに、テマリンの決意を。